黒澤ダイヤ/エピソード/2話 琴の導き
外觀
| 角色 | 文字 |
|---|---|
| ルビィちゃん! 遅くなってごめんね | |
| 大丈夫だよ。ルビィも今来たところだから | |
| 渡すものをまとめてたら、 バスの時間に間に合わなくなっちゃって……はい、これ! | |
| わあぁっ! 買い損ねちゃったスクールアイドル情報誌のバックナンバー! ありがとう~! 本当に借りていいの!? | |
| もちろん! 喜んでくれて嬉しいよ。 ついでに昨日発売した今月号も持ってきたんだ。 一緒に読まない? | |
| 本当!? 読む~♪ | |
| 今月号も大満足の内容だったよ~! | |
| 新しいスクールアイドルの情報もたくさん載ってたね。 これからもっとスクールアイドル界は盛り上がって……ん? | |
| どうしたの? | |
| 何か聞こえたような気がして……あ、ほら、また。 何だろう? 楽器の音みたいだけど…… 吹奏楽部が練習してるのかな…… | |
| あ、多分、それって…… | |
| …… | |
| えっ、ダイヤさん……!? しかも演奏してる楽器って、琴……!? | |
| 時々、ここで練習させてもらってるんだって。 今日も、本当は家で練習するはずだったんだけど、 急にお客さんが来ることにな っちゃって | |
| なるほど。 家で弾けないからここに来たってことか…… | |
| (綺麗な音色……。『雅』って言葉が音になったら、 きっとこんな感じなんだろうな……) | |
| (弦が弾かれる度に、周りの空気が清められていくみたい。 ずっと聴いていたいなぁ……) | |
| そんなところに隠れていないで、 どうぞお入りになってくださいませ | |
| へっ!? | |
| お、お姉ちゃん…… | |
| ご、ごめんなさい! 盗み聞きみたいなことして…… | |
| 構いませんわ。 しかし、来たならすぐに声をかけてくださればいいものを。 扉の隙間の目に気付いた時は、本気で幽霊かと思いましたわ | |
| 大変申し訳ありません…… | |
| 演奏、すっごく素敵だったよ。 何だかダイヤさんの周りだけ空気が違う気がして…… | |
| 声を掛けづらかったと? | |
| えっ、いや | |
| 冗談ですわ。ありがとうございます。 そこまで言っていただけるなんて光栄ですわ | |
| 空気が違うっていうの、ルビィも感じるよ。 家でお琴の音が聞こえてくると、何だかこう…… 静かにしなきゃならないような気分になる | |
| 騒いだらバチが当たりそうな感じがするよね | |
| ちょっと待ってください! それではまるで、 わたくしの演奏に怪しげな効力があるようではありませんか! |