津島善子/エピソード/6話 堕天使ヨハネの招聘
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今日は善子ちゃんの家でまた動画撮影だったよね。 約束の時間までまだ余裕あるし、 善子ちゃんが好きそうなお菓子でも買っていこうかな | |
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ん? ……善子ちゃんから電話だ | |
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はーい、もしもし? | |
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リトルデーモン! すぐに来て! | |
時間はまだ…… | ||
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え? すぐに、って、約束の時間はまだ…… | |
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緊急事態なの! とにかく、翼でも魔法でも使って早く来てちょうだい! | |
パソコン壊れた? | ||
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どうしたの? パソコン壊れた? | |
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違う! いいから早く来て! 特別に黒き疾風の魔法を使うことを許可するわ! | |
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そんなの使えないよ! もう、分かった、すぐ行くから待ってて! | |
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やっと来たー! 遅いわよぉ! すぐ来てって言ったのに! | |
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はぁ、はぁ……これでも電話もらってから ダッシュで来たんだよ……。 それで、緊急事態ってどういうこと? | |
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あのね、えっと……ゴホン。 リトルデーモンよ、まずはこの書簡を読むのです | |
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わざわざヨハネの口調にならなくても…… というか、書簡って……ああ、メールのことか | |
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えっと、なになに? 『堕天使ヨハネ様。初めまして、 いつも動画を楽しく視聴させていただいています』 | |
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『今度、リトルデーモン同士で オフ会を開こうと思っているのですが、 ヨハネ様にもぜひご参加いただけないでしょうか』 | |
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……オフ会のお誘い! | |
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そうなのよ…… 動画撮影の準備をしてたらそのメールが届いて、 びっくりして、あなたに電話したの…… | |
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緊急事態ってこれのこと? まぁ、確かに突然届けばびっくりするか…… | |
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ねぇ、どうすればいい!? | |
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どうって、参加したいならすればいいんじゃないの? | |
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軽い! こんなの初めてなのよ。 動画投稿を始めてから、コメントもらうことはあっても、 こんな、オフ会の誘いなんて……! | |
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別に軽い気持ちで決めろとは言わないけど…… リトルデーモンのオフ会ってことは、 つまり善子ちゃんのファンってことでしょ? | |
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本人が呼び掛けてファンが集まるのは普通だけど、 ファンのほうが自発的にこういうイベントを開くって すごいと思うなぁ | |
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そ、そうかしら。すごいのかしら…… | |
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しかも、ファンのほうから本人に参加の誘いをかけてくるってね。 こういう部分にファンと善子ちゃんの距離の近さが 表れてる気がするよ | |
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とはいえ、全く面識の無い人達と会うんだから 迷うのは当然だろうし、どうしても気が乗らないなら、 お断りのお返事をすればいいんじゃないかな | |
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そうね……確かに、会うのはちょっと緊張するわ……。 でも、私の動画を楽しいって言ってくれてる人達が どんな人達なのかも気になる…… | |
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……決めた。遥か高みの玉座に踏ん反り返るだけが主ではない…… たまには眷属達の前に姿を晒し、 その忠誠心をより高めるのも立派な務め! | |
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リトルデーモンのオフ会! 参加してやるわ! | |
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よくぞご決断なさいました、ヨハネ様ー! | |
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どんな服を着て行こうかしら? 持ち物は? あ、その前に参加するって返信しなくちゃ。 あなたもしっかり準備するのよ! | |
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私も? どうして? | |
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一緒に行くからに決まってるじゃない。 メール最後まで読んでないの? 一緒に動画を撮ってる 側近様もぜひご参加くださいって書いてあったでしょ | |
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え、えーっ!? |