津島善子/あなたも私のリトルデーモン
< 津島善子
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待たせたわね、リトルデーモンたち! 今宵の『堕天使クッキング』! ヨハネの料理が生み出す闇の波動を受け止めなさい! 1 | |
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……あ、ごめん、善子ちゃん。 今のところ、フレームアウトしちゃった | |
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ちょっとぉ! せっかく決めてたのに、なんで外しちゃうのよ! あとヨハネ! 3 | |
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ごめんね。ちょっと角度が悪いなって思ってて……。 せっかくなら堕天使の魅力をばっちり映したいから | |
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そ、そう? じゃあ、まあ、しょうがないわね 4 | |
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もしかしたら私が持つより、 スタンドを立ててカメラを固定にしたほうがいいかも。 手ブレもしないし | |
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んー、そうね。 じゃあちょっとセッティング変えちゃいましょうか。 テーブルはこのままでいいわよね? 5 | |
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うん! やっぱり正面からのほうがいいから…… カメラは、ここにしよっと。 うん、よしよし | |
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カセットコンロの調子、よし! 鍋、ぐつぐついってるから、よし! 悪魔の調味料と、 堕天使の涙と、小悪魔の誘惑……ぜんぶ揃ってるわね 6 | |
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お待たせ! じゃあそろそろ撮っていくね〜! | |
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あ、ちょっと待って! 発声練習とかしとかなきゃ……。 ごほん、あ、あー、ヨハネ降臨! あー、ごほん! 7 + | |
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3、2、1、キュー! | |
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待たせたわね、リトルデーモンたち! 今宵の『堕天使クッキング』! ヨハネの料理が生み出す闇の波動を受け止めなさい! 8 | |
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フフ……本来ならあなたたち程度の堕天レベルでは お目にかかれないものを、今宵は特別に見せてあげるわ……! 9 + | |
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この漆黒の地獄の窯に入った白き羽と野をかける獣に、 悪魔のささやき、堕天使の羽、小悪魔の誘惑を注ぎ込むのよ! 10 | |
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(地獄の窯……あ、お鍋のことか! 白き羽は白菜で、野をかける獣は豚肉…… 悪魔のささやきあたりからわからないけど……調味料かな?) | |
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さあ! 今こそ、清き力を封じ込めよ! 悪魔よ、堕天使よ、小悪魔よ、踊り狂うといいわ! フフフフ……! てやー! 11 + | |
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(お鍋に向かって、三つの瓶を振りまくってる…… なんかすごい色の粉が…… あっ! 善子ちゃんの手が……!?) | |
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あっ、つ……! 12 | |
手を見せて! | ||
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善子ちゃん! 手、見せて! | |
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えっ! あ、う、うん…… 13 | |
大丈夫!? | ||
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だ、大丈夫!? | |
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あ、う、うん。すぐ手をひいたから…… 14 | |
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少しびっくりしただけだから、心配しないで……。 って、ちょっと! なんで握りしめてるのよ! 一瞬、鍋に当たっただけで…… 16 + | |
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そうかもしれないけど! でも、善子ちゃんが痛そうな顔したからびっくりしたよ。 心配だから、ちゃんと見せて! | |
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なっ、なによ突然…… こっちがびっくりするわよ…… 17 | |
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……もう……突然手を握るなんて…… 私だけドキドキするなんてずるいじゃない…… 18 | |
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えっ? なにか言った? 痛くなってきた? | |
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ううん、大丈夫。痛くないから。 その……心配してくれて……ありがと 19 | |
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……あなたがいてくれるって、悪くないわ 20 |