桜内梨子/伝える技術
外觀
< 桜内梨子
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| あれ……梨子ちゃんからだ | ||
| もしもし、梨子ちゃん? | ||
| こんばんは。ごめんね、夜に電話して 3 + | ||
| ううん! 私は全然大丈夫 | ||
| あのね、今度の土曜日って空いてる? 4 | ||
| 空いてるけど、どうしたの? | ||
| 好きな人に会いに行こうと思って。 あなたも一緒にどう? 5 | ||
| いいよ。梨子ちゃんの好きな人かあ…… + | ||
って、ええええ!? | ||
| 梨子ちゃん! 好きな人ってもしかして…… このチラシに載ってるピアニストの人? | ||
| うん! この人の弾くピアノが本当に綺麗で、大好きなの。 今日のピアノリサイタルを楽しみにしていたんだ 7 + | ||
| もう、梨子ちゃんったら、びっくりさせないでよ! 好きな人って言うから、てっきり…… | ||
| てっきり? 8 | ||
| な、なんでもない! | ||
| あ。もうすぐはじまるみたい。行こう、梨子ちゃん! | ||
| うんっ 9 + | ||
| はあ…… 11 + | ||
| 素敵な演奏だったね、梨子ちゃん | ||
| もう……なんて言えばいいのかな。 言葉で表せないくらい、素晴らしくて…… 12 | ||
| ずっとこの人の演奏を生で聴きたいって思ってたの。 CDで聴くよりも、もっと感じるものがあるんじゃないかな、って 13 | ||
| 実際に生で聴いたら、私の想像なんか軽々とこえていて…… 14 | ||
| 音に背景や感情を乗せて、伝える技術が素晴らしいよね。 あなたもそう思わない? 15 | ||
| う、うん!(梨子ちゃんがめずらしく興奮してる) | ||
| 自分が弾くピアノとは全然情報量が違う気がして…… 嬉しいような、悲しいような 16 | ||
| 梨子ちゃんのピアノも気持ちがこもってる | ||
| そうかな? | ||
| 梨子ちゃんのピアノも同じくらい感情がこもってると思うけどな。 梨子ちゃんのピアノを聴くと感動するもん! | ||
| 本当? でも、 今の演奏を聴くとまだまだ力不足だなって思ったでしょ? 17 + | ||
| そんな疑いのまなざしを向けないでよ……! | ||
| ピアノの練習だけじゃ足りないのかな? | ||
| うーん、梨子ちゃんはピアノを毎日練習してるんだよね? それなら、ピアノの練習以外の何かが必要なのかな? | ||
| 音楽は譜面通りに弾くだけでいい、っていうものじゃないから…… あなたの言う通りかもしれない 18 | ||
| プロの演奏に今すぐ追いつきたい、 なんて都合がよすぎるかもしれないけど。 それでも少しずつ憧れの人に近づいていきたいな 19 + | ||
| 音楽や美術にふれたり、 もっと身近なものからも刺激を受ける自分でいたいし、 それを人に伝えられる技術を身につけたいと思ってるの 20 | ||
| うん。梨子ちゃんならきっとできると思う! すぐに結果が出るかは分からないけど、 一緒に色々試してみようよ! | ||
| ありがとう♪ あなたのこと、とっても頼りにしてるね 21 | ||
| もっと伝える技術が身につけば、 私の気持ちもあなたに届くかも……なんて 22 + | ||
| ん? それってどういう意味? | ||
| ふふ……ひみつ♪ 23 + | ||