桜坂しずく/故事/20話 starting
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| 先輩、私の伝えたい物語ができました。 一番に先輩に聞いてほしいです……いいですか? 1 | ||
| とっても光栄だよ、しずくちゃん | ||
| では、聞いてください。 ある少女の物語です…… 2 + | ||
| 「少女の小さな胸は、明日への希望でいっぱいでした。 明日は、夢にまで見たステージ」 4 | ||
| 「不安がないわけではありません。 失敗したらどうしよう、うまくできなかったらどうしようという、 チクチクした気持ちもいっぱいです」 5 | ||
| 『やっぱり、スクールアイドルへの情熱は 無くなってなかったんだね!』 6 | ||
| 「そう言って眩しく笑いかけてくれたとき、 胸のチクチクは消えていました。 その日が……私の人生、二度目のスタートだった」 7 | ||
| 「それぞれが、それぞれの表現したいこと…… 進みたい道をまっすぐに求める場所」 8 | ||
| 「新生・スクールアイドル同好会には、 そんな言葉がふさわしかった」 9 | ||
| 「周りを見渡せば、目指す先は違うけれど、 私と同じように、自分の望む先を見つめる仲間たち」 10 + | ||
| 「そして隣には、いつも私を支えてくれる心強い存在」 11 | ||
| 「そんな世界で、私はもっともっとわがままに、 演じたいものを作り上げる」 12 | ||
| 「私の想像の世界で輝くスクールアイドル……例えば、 ちょっとお茶目なスクールアイドル、いつも強気な スクールアイドル、ミステリアスなスクールアイドル……」 13 | ||
| 「数えきれないほどのスクールアイドルたちが、 私の中から溢れ出す」 14 | ||
| 「その全てを、私は演じきれるかな?」 15 | ||
| 「いいえ、演じきりたい。そして、みんなに伝えたい!」 16 | ||
| 「明日はどんなスクールアイドルを演じよう? どんな人生を演じたい?」 17 | ||
| 「物語が、真っ白なノートを埋め尽くす。 これは、明日の人生、明日の脚本」 18 + | ||
| 「この世界は、私の舞台! どんなキャラクターでどんな人生を歩むのかは、私次第。 私の思う通り!」 19 | ||
| 「今日の脚本家としての私から...... 明日、主演女優になる私への挑戦状!」 20 | ||
| 「そんなスクールアイドルを、アナタは演じきれる?」 21 | ||
| 「ステージを笑顔で埋め尽くせる?」 22 | ||
| 「私は、『もちろんよ!』と、高らかに答える」 23 | ||
| 「でも、ほんの少しのチクチクは、いつも心の奥底に潜んでいる」 24 | ||
| 「私の心の奥底を、いつも暗く覆いつくそうと...... 狙い定めてる!」 25 | ||
| 「そんなとき、心に思うのは一つ」 26 | ||
| 「演じることと、スクールアイドルが 大好きな私を引っ張ってくれた、その手」 27 | ||
| 「その手を取ると、チクチクはワクワクに早変わり」 28 | ||
| 『どんなことがあっても絶対にみんなの味方です! みんなのこと全力で応援します!』 29 | ||
| 「そう約束してくれた人の、温かな手」 30 | ||
| 「だから私は、今日も演じる。 そして、伝える。 私のなかの、最高のスクールアイドルを!」 31 | ||
| はあ……。 先輩、どうでしょうか? 私の物語、先輩の心には届きましたか? 32 + | ||
| すごくよかったよ! | ||
| す、すごいよ! すごくよかったよ、しずくちゃん! | ||
| えへへ……。嬉しいです! 34 + | ||
| ドキドキしたよ! | ||
| ドキドキしちゃった。真に迫ってるっていうか…… | ||
| うふふ。だって、私の正直な気持ちですから 35 + | ||
| この朗読劇の主人公は、しずくちゃん? | ||
| うーん……そうとも言えるし、そうとも言えないような……。 私であって、私ではないイメージです 36 + | ||
| そっか | ||
| でも、私にとって大切な「始まりのとき」を、 いつでも追体験できるような物語には……なってます♡ 37 | ||
| 物語だってわかってはいるけど、なんだか嬉しいな。 よし、この朗読劇にぴったりの曲を作ろう! そして、ファンクラブのみんなに聴いてもらおう! | ||
| はい! 38 + | ||