桜坂しずく/故事/33話 しずくの決意
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先輩、いらっしゃいますか? 1 |
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あ、しずくちゃん。 おはよう |
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今、少しいいですか? 2 |
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部長と話したんです。 この間先輩と見た一人芝居のこと…… 4 |
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演劇部の部長さん、なんて言ってた? |
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部長が言うには、 あれは人に見せるためのお芝居ではないのだと 5 |
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ええ!? あんなにすごいのに!? |
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そうなんです 6 |
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私、ひと目で引き込まれて、 お芝居が終わっても放心したままでした 7 |
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人に見せないお芝居、って なんでしょう……? 8 |
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うーん…… まだ完成じゃない……とか? |
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そう……なんでしょうか? 9 |
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私、あの後も何度か 部長の一人芝居を見に行ったんです 11 |
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毎回違う物語で、それぞれきちんと 完結している気がしました 12 |
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だからこそわからなくて…… 13 + |
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あんなに素晴らしい演技を誰にも見てもらえないなんて、 もったいないです 14 |
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しずくちゃん…… |
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それに私、お芝居をしている部長の姿を たくさんの人に見てもらいたいんです 15 |
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演じているときの部長は、 どんなときよりも生き生きと輝いてるから! 16 |
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私はしずくちゃんを見てるからわかるけど、 お芝居をする人で見られたくない人はいないと思うんだ |
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だから…… |
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部長のお芝居…… 他の人に教えてあげてもいいですよね? 17 |
いいと思う | |
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うん。いいと思う |
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……! じゃあ私、さっそくフライヤーを作ります! 19 |
そうしよう | |
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うん。そうしよう |
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先輩に相談してよかった。 じゃあ早速方法を考えます! 20 + |
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私にもお手伝いさせて! |
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ありがとうございます、先輩。 こちらからお願いしたいくらいです! 21 |