イルミネーションナイト/第1話

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角色 文字
107_c.png 花丸 『あちこちの燭台に火が灯り、着飾った貴族達が
 花のように庭園を彩っている。ああ、眩しいわ。
 今は夜のはずなのに、まるで昼間のよう』 1
107_c.png 花丸 はあ……素敵…… 2
107_c.png 花丸 夜を照らすろうそくの優しい光、
綺麗なドレス、そして美味しい料理……
ああ~、マルもこんな世界に行ってみたいずら~ 3
106_c.png 善子 何ひとりでブツブツ言ってんのよ? 4
107_c.png 花丸 ひゃあっ! よ、善子ちゃん!
いつからそこに!? 6
106_c.png 善子 ヨ、ハ、ネ、だってば! 今来たところよ。
図書室に入ったら、カウンターの中であんたが下向いて
にやにやしてるんだもの。ちょっと怖かったわ 7 +
107_c.png 花丸 常日頃から堕天使を自称してる善子ちゃんに
言われるのは心外ずら 8
106_c.png 善子 自称ではないわ。ヨハネが堕天使なのは純然たる事実!
不変の真理! 黒いカラスが白くなろうと、
ヨハネが堕天使であることは変わらないわ! 9 +
107_c.png 花丸 はいはい、分かりました。
で、堕天使様は図書室になんの御用ずら? 10
106_c.png 善子 本を借りに来たに決まってるでしょー。
このメモに書いてある本、ある? 11
107_c.png 花丸 ちょっとは自分で探そうって思わないずら? 12
106_c.png 善子 だって、ずら丸に頼んだほうが確実なんだもん。お願いっ 13 +
107_c.png 花丸 しょうがないなぁ……分かったずら。
ちょっと待ってて 14 +
107_c.png 花丸 お待たせずら~。1冊だけあったよ。
まったく、相変わらず善子ちゃんはこういう本好きずらね 16
106_c.png 善子 ん~、ありがと 17
107_c.png 花丸 ……あっ、それマルの本!
勝手に読んじゃだめずら~っ 18 +
106_c.png 善子 心配しなくても、しおりの位置は変えてないわよ。
あんたがにやにやしてたのって、これを読んでたからなのね?
仕事中のくせに~ 19
107_c.png 花丸 本を読むのだって図書委員の仕事ずら!
それに、ずっと読むのが楽しみだった本なんだもん。
我慢なんてできないずら~っ! 20 +
106_c.png 善子 そんなに面白いの?
まだ最初のほうをちらっと読んだだけなんだけど 21
107_c.png 花丸 面白いよ。歌姫になるために田舎から王都にやってきた女の子が、
国を巻き込んだ陰謀に立ち向かうサスペンスファンタジーずら 22
106_c.png 善子 ずら丸、読む本の趣味変わった……? 23
107_c.png 花丸 特に、主人公の女の子がお城のお姫様と友達になって
夜会に招待されるシーンは、
それはもう臨場感たっぷりに描写されてて 24
107_c.png 花丸 まるで、自分も一緒にパーティに参加してるみたいな
気分になるんだ~♪ 25
106_c.png 善子 なるほど、それでドレスだの料理だの言ってたわけね 26
107_c.png 花丸 いつかマルも、こういうパーティに招待されてみたいずら 27
106_c.png 善子 そんなに行きたいなら連れて行ってあげるわ!
この堕天使ヨハネを賛美する魔族の宴にね! 28
107_c.png 花丸 そんな怖そうな宴、行きたくないずら 29
107_c.png 花丸 ん? メッセージだ……
果林さんずら 31 +
106_c.png 善子 果林? なんて書いてあるの? 33
107_c.png 花丸 この前おすすめした本のお礼ずら。
それから……えっ! 34 +
106_c.png 善子 え?! な、何? 35
107_c.png 花丸 や、夜会の……パーティのお誘いずら~! 36 +