エマ・ヴェルデ/故事/19話 選んだ道
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| 「スクールアイドルは、もう終わりにしようと思ってる」って、 どういうことですか? 1 | ||
| あんなに素敵なのに…… 2 | ||
| ありがとう。 だけど、もう決めたことだから 3 + | ||
| あの…… どうしてなのか、聞いてもいいですか? 4 | ||
| ん~……。 あのね。この写真館を継ぎたいから、なんだ。 本格的に、写真の勉強を始めたの 5 + | ||
| うちの店は、母さんがずっと切り盛りをしながらやってきたんだ 6 | ||
| だけど、ちょっと前に体を壊しちゃってさ……。 きっと、長い間の無理がたたったんだね 7 | ||
| え!? そ、そうだったんですか!? 8 | ||
| ああ、心配させちゃってごめん。 母さん、体のほうはもう大丈夫なんだ。病院でしっかり治したから。 だけど、無理はさせられないじゃない? 9 + | ||
| だから、 あたしもそろそろ家を継ぐ準備に本腰入れないと! って思ってね 10 | ||
| お母さん思いなんですね | ||
| 唯一の肉親だもの。 キミたちだって、家族は大切にしてるでしょ? 11 | ||
| そうですね……。 家族のことは、みんな大好きです…… 12 + | ||
| エマちゃんのおかげで賑わってるけど、 この写真館ボロっちいし、そこまで繁盛してるわけじゃないのよ 13 | ||
| でも、海外のお客さんが増えてきたから エマさんを雇ったんじゃ…… | ||
| 確かに海外から来てくれる人は増えたけど、このブームが いつまで続くかわからない。このまま増え続けて安定して くれるのが一番だけど、どうなるかなんてわからないでしょ? 14 | ||
| ひいじーちゃんの代から続いているお店だからさ、 そういうブームに頼らなくても、あたしの腕一本で、 これからもずーっと、100年も200年先も残していきたい…… 15 | ||
| それがあたしの選んだ未来なんだ。 だから、スクールアイドルは卒業 16 | ||
| 新しい目標ができたんですね…… | ||
| うん、そういうこと♪ 17 | ||
| もう、スクールアイドルは……いいんですか? 18 | ||
| やっと……、やっと、あの歌にまた会えたのに…… 19 | ||
| ……あのさ、エマちゃんは、あの歌にどんな思い出があるの? なんだかエマちゃん、すごく気になってるみたい 20 | ||
| 思い出……って、言えるようなものじゃないかもしれません。 わたしが一方的に、好きで好きで仕方がないってだけで…… 21 | ||
| 小さい頃、あの歌のおかげで「乗り越えられたこと」があるんです 22 | ||
| ふふっ。あたしも同じ! だから先輩には、 スクールアイドルやめないで、ずっとこの歌を聴いていたい、 ってワガママいっぱい言っちゃった…… 23 + | ||
| それで、歌を引き継ぐことになったんですよね? それなら…… 24 | ||
| でも、決めた。 いつまでも、母さんをひとりで頑張らせていられない。 あたしが支えたい、継ぎたい。だから、写真に本腰を入れたい…… 25 + | ||
| マイさん…… 26 | ||
| ごめんね……。 でも、あの歌を同じように愛してくれた人に会えるなんて、 夢みたいだよ、エマちゃん 28 + | ||
| 私は応援するよ | ||
| 立派な決断だと思う。私は応援するよ | ||
| そうだね……。 マイさんが決めたことなら、わたしも応援しなきゃ 29 | ||
| 生で聴いてみたいな | ||
| 生で歌ってるの、聴いてみたかったな | ||
| うん。わたしも目の前で聴きたかった…… 30 + | ||
| でさ。次の休みに、最後のライブをやろうと思ってるんだ。 よかったら見に来てくれない? 31 | ||
| もちろんだよ! 絶対絶対行く!! 32 + | ||
| 私も行きます!! | ||
| あはは! 最高のものを見せるって約束するよ! 33 + | ||