月夜のフェアリーテイル/第3話
角色 | 文字 |
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ホノカ | それにしてもこの建物って大きいね~! お部屋がいっぱい! 1 |
鞠莉 | もう少し行けば窓があるの。 そこからなら外に出られるわ。でも…… 2 + |
アイ | そんな心配しなくて大丈夫だって。 アタシ達の力も使ってしっかり部屋に鍵かけたの、 マリーも見たでしょ? 朝まであの2人は出てこられないよ 3 |
鞠莉 | そうよね。今考えることは、 無事にみんなと外へ出ることよね 4 |
セツナ | まずは窓がある所まで油断せずにいきましょう! ホノカさん、体調はもう大丈夫ですか? 5 |
ホノカ | 大丈夫! 鞠莉さんのお菓子のおかげで元気いっぱいだよ! むしろいつもよりパワーが湧いてくるみたいで―――― 6 |
ヨシコ | 待ちなさああああい!! 7 |
鞠莉 | なっ、ヨシコ……!? 8 |
ホノカ | え、ええ~っ!? なんで? どうやって出てきたの!? 9 |
ヨシコ | フッ、見くびられたものね。 あの程度の封印でヨハネを抑えようなど1億年早いわ! 10 + |
セツナ | みなさん、下がってください……! 11 |
セツナ | ずっと気になっていたのですが、やはり間違いありません…… この禍々しい気配、背中の黒い翼……魔族です! 12 |
ヨシコ | あら、あんたはなかなか聡いようね。 私の正体を見破ったのは、エリ以外ではあんたが初めてよ 13 |
ヨシコ | 我こそは完全無欠、最強無敵の堕天使ヨハネ! 天より堕ち、闇にまみれてなお燦然と光る、 神すら慄く世界の主である! 15 |
鞠莉 | オーマイガー!! あの羽って本物だったの!? 16 |
アイ | 驚くとこそこ!? 17 |
鞠莉 | 確かに、いつも黒魔術がどうとか堕天がどうとか言ってたけど、 そういう趣味なだけだとばかり…… 18 |
ヨシコ | 趣味言うな! だからず~~~~っっと言ってたでしょ、 ヨハネは本物の堕天使なんだって! 信じるまでに何年かかってるのよ! 19 |
セツナ | 世界の主かどうかはともかく、魔族であることは確かです。 しかし、何故鞠莉さんの元に…… 20 |
ヨシコ | もちろん、鞠莉を我が眷属、 リトルデーモンにするためよ 21 |
鞠莉 | ホワッツ!? 私を? 22 |
ヨシコ | 鞠莉にはヨハネの眷族として充分過ぎるくらい素質があったのよ。 でも、エリに見つかって、めちゃくちゃ怒られて…… 23 + |
ヨシコ | そしたらいつの間にか、 一緒に鞠莉のお世話をする契約をさせられていたのよ…… ううっ、あの時のエリ、めちゃくちゃ怖かった…… 24 |
アイ | 堕天使をビビらせるエリさんのほうが気になるんだけど。何者? 25 |
ヨシコ | とにかく! このままあんた達を逃がしたら、 エリに叱られる上に1ヶ月チョコ食べるの禁止にされちゃう! 絶っっ対に捕まえてやる~~!! 26 |
セツナ | ここは私が引き受けます! みなさんは先に行ってください! 27 |
鞠莉 | 先に、って……ひとりで残るつもりなの!? 28 |
セツナ | 大丈夫、みなさんが逃げる時間を稼ぐだけです。 折を見て私も逃げます 29 |
ホノカ | セツナちゃん……! 30 |
アイ | ……分かった。頼んだよ、セッツー! 31 |
鞠莉 | セツナ、絶対に追いかけてきてね! 絶対よ! 32 |
ヨシコ | ひとりでこのヨハネの相手をしようだなんて、 聡いという評価は撤回したほうがよさそうね。 あまりに無謀。愚かの極み 34 |
ヨシコ | どれほど覚悟を決めようと、このヨハネの前では無駄なこと! 哀れでか弱き妖精よ、身の程を知るがいい! 35 |
セツナ | どう評価していただいても結構です。 大切な友のためならば、堕天使だろうと神様だろうと、 必ず阻んでみせる 36 |
セツナ | 完全無欠の堕天使様、一歩たりともここから先には通しません! 37 |
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