朝香果林/故事/12話 キミにはお見通し
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| それではお先に失礼します。 戸締まりよろしくお願いしますね 1 + | ||
| うん、お疲れ様、せつ菜ちゃん | ||
| あら、せつ菜も帰ったの? ふう……今日も私たちだけになっちゃったわね 3 + | ||
| それも今日までだよ。明日はいよいよライブ当日だからね! | ||
| まだまだ余裕があると思ってたのに、 時間が過ぎるのはあっという間ね 5 | ||
| それだけ充実した毎日だったって考えよう | ||
| うふふ、実際充実してるわよ。 今まで経験したことのないものに挑戦するのは楽しいもの 6 + | ||
| そう言ってもらえると嬉しい | ||
| ねえ、ずっと気になっていることがあるんだけど 聞いてもいいかしら? 7 | ||
| なに? | ||
| このあいだキミにはぐらかされたコトよ。どうして私にこの曲を? キミも私にはセクシーな楽曲の方が似合うと思うでしょ? 8 + | ||
| 言わなきゃダメ? | ||
| そ、そのことか〜。言わなきゃダメかな? | ||
| だーめ♡ 明日はライブよ? その前にはっきりさせておきたいの♡ 9 | ||
| え? な、なんのことだっけ? | ||
| 今日こそは言うまで帰さないわよ♡ 10 | ||
| 果林さんは、確かにかっこよくてセクシーなイメージだけど、 それだけじゃないって思ったから……かな | ||
| あら、どういう意味かしら? 11 | ||
| 見当違いなことを言ってたらごめんね。 果林さんて、たまに無理をしているように見えたことがあったから | ||
| え…… 12 | ||
| みんなが自分にあった曲はなんだろうって話してたときや、 ファミレスでメニューが決められないって わいわいしてたときとか…… | ||
| 果林さんて大人だから、自分が本当にやりたいことよりも みんなが求めているものに応えようとしてない? | ||
| でも、いつもそんなだったら 疲れちゃうんじゃないかなって思ったんだ | ||
| だから、いつもしっかりしているけど、たまには誰かに 甘えてもいいんだよ、もう少し素直になってもいいんだよって、 そういう曲を果林さんに作りたかった | ||
| なるほど……今回の曲はそこから来ていたのね 14 + | ||
| うん。私から果林さんへのメッセージをこめてみたんだ | ||
| 言われてみれば、自分から甘えるの苦手かもしれないわ 15 | ||
| 私は、果林さんのことを心から応援してるから、 我慢しないでたまには思いっきり羽を伸ばしてもらいたい | ||
| まあ、大胆な告白ね。 それじゃ、キミが甘えさせてくれるのかしら? 16 + | ||
| わ、私でよければ! | ||
| ふ~ん、なるほどね。まだ時間ある? 明日みんなの前で歌う前に、キミに一度聴いて欲しいのよ。 私の本音を込めたこの歌を 17 + | ||
| うん、聴かせて。果林さんの本音を! | ||