朝香果林/故事/3話 前を向いて上を目指して
外觀
| 角色 | 文字 |
|---|---|
| (ああ、もう外が真っ暗だ。 みんなの練習スケジュールを考えてたら気づかなかった。 もうみんな帰っちゃってるかな……) | |
| みんな! もうすぐ最終下校の時間だよ! あれ……今日の居残りレッスンは果林さんだけ? | |
| あら、今日は顔を出さないのかと思った。 彼方とかすみちゃんが奥で着替えをしているわ 3 | |
| そうなんだ。じゃあ2人にも声かけてくるね | |
| ……とその前に、 果林さん、ここ最近ずっと残ってるけど頑張りすぎじゃない? | |
| いいえ、むしろ今までが足りなかったと思うの。 だってこの同好会には…… 4 + | |
| あの子がいるもの。 あの子を見ていたら、誰だって触発されるでしょ? 5 | |
| せつ菜ちゃんのことだね。 果林さんとせつ菜ちゃんて仲良いよね | |
| ふふっ、そう見える? 残念ながらハズレ。 私が一方的にライバル視してるだけよ 6 | |
| 一方的にだなんてそんな! 果林さんだってせつ菜ちゃんに負けないくらいすごいと思うよ! | |
| ありがと。でも「負けないくらい」か。 「せつ菜ちゃんより上」にはほど遠いかな 7 | |
| えっ、その、あの…… | |
| うふふ、ゴメンゴメン。ちょっと意地悪だったわね。 私、キミのそういう嘘つけないところ大好きなのよ 8 | |
| この同好会のことも大好き。 だって、今すごく充実してるって思うんだもの 9 | |
| モデルをやってる時にはなかった感覚なの。 スクールアイドルになって初めて感じられた気持ちよ 10 | |
| え? | |
| ……私ね、今まで、モデルの仕事をしても誰かと競い合うとか そんなこと考えたことなかったの 11 | |
| 言われた通りにやって、それなりに褒められて、 ちょっといい気持ちになってそれで終わり 12 | |
| でも、今は違うの。 今は、自分の選んだ道で誰かに負けたくないなって、 思うようになってきたのよね 13 | |
| まだ理想とするところには届かないけど、こうなりたいって目標に 向かっている毎日にやりがいを感じるの。これが充実してるって ことよね。モデルの仕事ではあまり感じられなかったの 14 | |
| だから、キミに感謝してる 15 | |
| え? | |
| キミがスクールアイドルに誘ってくれなかったら 私はこんな毎日を送っていなかっただろうし、 負けたくないと思えるライバルにも出会えてなかった 16 | |
| だから、感謝してるの。 あらためて、ありがとう 17 | |
| 私が思い描くスクールアイドルになれるよう、 これからも努力を惜しまないわ。 だから、よろしくね 18 | |
| 果林さん……。私、全力でサポートするよ! こちらこそよろしくお願いします! | |
| こらそこ~! 彼方ちゃんたちも居残りしてるってこと、 忘れてもらっちゃ困るな~! 20 | |
| 果林先輩ずるいです~! かすみんだって先輩にたくさんサポートしてもらいたいのに~! 21 | |
| もちろんかすみちゃんのことも、全力でサポートするよ! | |
| あら、私だけが独占できると思ったのに。残念だわ 22 | |
| か、果林さん~! |