朝香果林/私の色、あなたの色
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角色 | 文字 |
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果林 | あら、栞子ちゃん 1 |
栞子 | 果林さん。 どうしたんですか? 2 |
果林 | それは私のセリフよ。 ここにひとりでいるなんてめずらしいじゃない。 一年生のみんなは? 3 + |
栞子 | かすみさんは忘れ物を取りにいって、 しずくさんと璃奈さんは図書室に本の返却に。 私はここで荷物番です 4 |
果林 | そうなの。 じゃあ、戻ってくるまで、 話し相手になろうかしら 5 |
栞子 | そ、そんな。 すぐ戻ってくると思いますし、 果林さんのお時間を割いていただくのは…… 6 + |
果林 | ふふ、ごめんなさいね。 私が栞子ちゃんと話したいだけよ 7 + |
栞子 | そういうことでしたら…… その、嬉しいです 8 |
果林 | ねえ、この間行った紫陽花の庭園、 すてきだったわね 9 |
栞子 | ええ、本当に。 見事でしたね 10 + |
果林 | 栞子ちゃんが紫陽花に詳しくてびっくりしたわ。 私も紫陽花に詳しくなっちゃった 11 |
栞子 | あれはたまたまですよ 12 |
果林 | あのとき…… 紫陽花は環境だけじゃなくて、 咲き始めたらどんどん色が変わるって言ってたわよね 13 |
果林 | それは、スクールアイドルにも 同じことが言える、って 14 |
栞子 | 後半を言ったのは歩夢さんです。 あと、穂乃果さんとルビィさん 15 |
果林 | そうね。そのことを、今日みたいな雨の日に 思い出すようになったのよ。それでね、 思い出すとやる気も出る。栞子ちゃんはどう? 16 |
栞子 | ……私もあの話を聞いて思いました 17 |
栞子 | 私は、この同好会で鮮やかな「色」を知ったんだな、と。 今の私は、同好会のみなさん…… 果林さんの「色」に影響されているんです 18 |
果林 | あら、そんな風に言ってもらえるなんて嬉しいわ。 でもね、私たちだって栞子ちゃんに影響されてるのよ 19 + |
果林 | 私たち、これからもずーっと、 お互い影響を与え合う関係でいたいわね! 20 |