東條希/希先生
外觀
< 東條希
| 角色 | 文字 |
|---|---|
| うーん…… 1 + | |
| エマちゃん、何やってるの? 2 | |
| 宿題だよ。 俳句を作って提出する課題なんだけど…… 3 | |
| この「や」とか「けり」が難しくて。 使い方がよく分からないんだ 4 | |
| たしかに日常的には使わない言葉かもね 5 | |
| これ、どんな風に使うの? 6 | |
| そうやねえ。例えば、 「古池や 蛙(かわず)飛び込む 水の音」 7 | |
| フルイケヤ? 8 | |
| うん。 有名な句なんだ 9 + | |
| 「古池や」は、 物音ひとつない閑散とした池を想像させる 11 | |
| そこに一匹の蛙が飛び込む。 その水音だけが響いて、あたりはまた静まり返る 12 | |
| 静かな空間や、その余韻を、 ウチらに想像させてくれる句なんだ 13 | |
| 空間や、余韻かぁ 14 | |
| 目には見えなくても、心では感じるものがある。 「や」が効果的に使われている代表例なんだけど……、 ちょっと難しいよね 15 | |
| でも希ちゃんのおかげで、なんとなくイメージはできたよ。 早速一句、詠んでみる 16 | |
| 「ニジガクや 桜舞い散る 通学路」 ……なんて、どうかな 17 | |
| わ、素敵 18 | |
| えへへ。「ニジガクや」で、 みんながワイワイ登校する空間を表現してみたんだ 19 + | |
| バッチリ。目に浮かぶみたいだった。 さすがエマちゃん、飲み込みが早いね 20 | |
| ううん。希ちゃんの教え方が上手だったから。 希ちゃんが先生になってくれたおかげだよ 21 + | |
| うふふ。 そう言われると、なんだか照れるやん 22 + |