松浦果南/エピソード/3話 内浦の強み
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| (う、うわっ、本当に潜っちゃった! 冷たい、けど、水着で潜るのとは違う…… どうしよう、目が開けられない……) | ||
| (ん? 何かがマスクを叩いてる……? 果南さんかな。目を開けろってこと……?) | ||
| (……!!) | ||
| す、すごかったぁ!! | ||
| 果南さんがマスクをコンコンってして、目を開けたら、 青くて、どこまでも青くて…… | ||
| うん | ||
| でも、その中で太陽の光が カーテンみたいにきらきら降り注いで | ||
| あんなに綺麗な景色、生まれて初めて見たよ! すごいよ内浦ー!! | ||
| そっか。えへへ、嬉しいなぁ、そんなふうに言ってもらえて。 誘った甲斐があったってもんだね | ||
| そうだよ。ここは……この海は、綺麗なんだよ | ||
| 果南さん……? | ||
| 伊豆半島にはダイビングスポットがたくさんあるんだ。 大瀬崎や熱海、同じ沼津でも千本浜とか獅子浜とかね | ||
| だけど、どうも内浦はマイナーみたいでさ。 うちの店もこの通り、あんまりお客さんが来ないんだよね~ | ||
| た、たまたま今日は来ないだけなんじゃ……? | ||
| た、たまたま今日は来ないだけなんじゃ……? | ||
| そんな幻想はとうに捨てたよ | ||
| たしかに、ダイビングしてる人、ほとんど見ないね | ||
| たしかに、ダイビングしてる人、ほとんど見ないね | ||
| ふふふふふ…… ズバッと言ってくれるじゃないか~ | ||
| うっ | ||
| この現状がどうにも不満なわけさ。 みんなもっと内浦に来るべきなんだよ。 そりゃ田舎と言えば田舎だけど | ||
| ダイビングスポットの全てが賑やかな観光地なわけじゃないし、 田舎という点はそんなに重要じゃないと思うんだよね | ||
| 内浦、魅力的なところだと思うんだけどなぁ | ||
| 海も綺麗、魚も美味しい、富士山だってよーく見える。 近くに水族館もあるからレジャー的な部分も 一応クリアしてるでしょ | ||
| ホテルや旅館もあるから、泊りがけでも安心よね? | ||
| 宣伝すれば? オススメダイビングスポットです! って | ||
| それは一応やっ、てる…… | ||
| …… | ||
| まっ、鞠莉さん!? いつの間に!? | ||
| どこから入ってきたの!? | ||
| 入口から普通に入って来たわよ。 一応声はかけたんだけど、全然気付いてくれないんだから~。 ところで今日も暇そうね?果南 | ||
| 会って早々に喧嘩売られた…… | ||
| 果南さん、落ち着いて! | ||
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