桜の精霊に会いに/第2話
外觀
< 桜の精霊に会いに
| 角色 | 文字 |
|---|---|
| ないっ 1 | |
| ないっ!! 2 | |
| どこにも桜なんて咲いてなーいっ!! 3 | |
| ひとつくらいは咲いているかと思いましたが…… まだ桜の気配はありませんわね 4 | |
| はい……残念です 5 | |
| みんな、待って。桜の気配ならしっかりあるよ 6 | |
| えーっ、どこ? 7 | |
| ほら、あそこ。見て♪ 8 | |
| あ……! 9 | |
| つぼみの先が、うっすらピンク色になってきてる。 もうすぐ花びらができあがるんじゃないかな 11 | |
| 開花前のこの期間があるからこそ、 咲いたときの喜びが増す気がするんだ 12 | |
| 桜もみんなに会いたくて、花開く準備をしてるのかも…… な~んて、ふふっ 13 | |
| だから、つぼみを見るだけでもウチは幸せ♪ 14 | |
| 私たちが気づかなかっただけで、桜は、 私たちにちゃんと教えてくれていたんですね 15 | |
| 「もうすぐ会えるよ」って 16 | |
| この前までもっと固そうなつぼみだったのに。 桜が咲く前から、つぼみの変化を楽しめるのね 17 | |
| そっか。今まで見逃してた 18 | |
| さっきは桜が咲いてなくて、つまんないって思ったけど。 開花が楽しみになったわね♪ 19 | |
| 考え方ひとつで、 こちらの心構えもこれほど変わるのですね 20 | |
| 本当ですね。 花が咲く前の桜を見ることができて、よかったです 21 | |
| くっくっくっ……「桜の精霊」よ。 この桜の木の下で、今何を感じているのかしら? 22 + | |
| えっ!? そ、それって、私のこと? 23 | |
| 当たり前じゃない! しずくは「桜の精霊」になるんだから 24 + | |
| そうだなあ……今の気持ちは、 早く綺麗に咲くところを見てみたい、かな? 25 | |
| それじゃ、しずくの気持ちになっちゃうじゃない! そうじゃなくて、桜の大樹を司る、 大いなる精霊としての気持ちを聞いてるのっ 26 + | |
| そっか、これじゃ私の気持ちでしかないんだ。 もっと「桜の精霊」の気持ちを考えなくちゃ……! 27 | |
| そんなに気負わないで、 気楽に考えていいんじゃないかな? 28 | |
| せっかく桜を見にきたんですもの。 「桜の精霊」になったつもりで、 今の気持ちを感じてみてはいかがですか? 29 | |
| はい……! 30 |
61