桜内梨子/エピソード/2話 昔日の旋律
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| 今日出演するピアニストの人って、有名な人なのかな | ||
| 国内の他に、海外でもときどき活動なさっているのよ | ||
| へえ~! | ||
| 実はね……私の先生だった方なの | ||
| えっ、そうなの!? 発表会勧めた先生? | ||
| うん。コンサートの後、少しだけお話する時間をもらえたの | ||
| そうなんだ。先生ってどんな人? | ||
| レッスン中は結構厳しかったなぁ。 ちょこっと練習サボっちゃったりすると、すぐ見抜かれちゃうし | ||
| 恐い人だったんだ? | ||
| 恐い人だったんだ? | ||
| でも上手く弾ければちゃんと褒めてくれたし、 レッスン以外のときは優しかったわ | ||
| うちの学校にもいるよ | ||
| へえ~。うちの学校にもいるよ、そういう先生。 どんな小さなごまかしも全然通用しないの! | ||
| ふふっ、そうなのね。でも、そういう厳しい姿勢は、 きっと音楽に真摯に向き合っているからなのよね | ||
| 東京を離れることになったときも、 すごく残念がってくれて…… 今でも、メールのやり取りとかしてるのよ | ||
| 先生は、梨子ちゃんがスクールアイドルをしているのは 知ってるの? | ||
| ああ、うん。一応ね……報告はしてあるよ。 PVを公開する度に見てくれてるんですって | ||
| ピアノ教室の生徒達や、 ピアニストの知り合いにも宣伝してくれてるみたい…… | ||
| おお! すごい、元教え子の活躍をしっかり追ってくれてるんだね! | ||
| ん、ん~……そうだね。嬉しいんだけど、 曲やPVの感想がちょくちょく来るのは ちょっと恥ずかしいというか、いたたまれないというか | ||
| 相手がお世話になった方だっていうのが余計に…… | ||
| 恥ずかしがることはないよ。応援してくれてるんでしょ? 先生のおかげで東京でもAqoursの魅力が広まっていくね! | ||
| う、うん | ||
| そっかぁ、梨子ちゃんの先生かぁ。 じゃあ今日は積もる話をあれこれする予定なんだ? | ||
| ええ。聞いてほしいことがたくさんあるわ。 内浦に行ってからの生活や、浦女のこと、ピアノのこと | ||
| それからAqoursのことも…… 色々話して、聞いて、これからのために生かしていきたいわ | ||
| これからのため……何か、深刻な話でもするの……? | ||
| え? そんなことないよ。 ただ、そうね。ちょっと先生に意見を聞きたいこともあるかも | ||
| 1回、他の人の目線で見てもらえば、 何か分かるかもしれないし…… | ||
| ……? | ||
| あ。明かりが…… | ||
| 開演時間ね。先生の演奏は本当に素敵よ。 凪いだ海のように静かだけど、 同時に荒れ狂う波のように激しく情熱的 | ||
| へぇ~。楽しみ! | ||
| あ、先生が出てきたわ! 懐かしい……! | ||