桜内梨子/エピソード/4話 Aqoursの曲
角色 | 文字 | |
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梨子 | Aqoursのメンバーと、みんなが住む内浦という町、 みんなが通う浦の星女学院 | |
梨子 | スクールアイドルは学校や地域と強く結びついているものだし、 曲を作るならそれを連想させる要素も入れた方がいいと思って | |
PLAYER | なるほど。曲を聞いて、そのグループがどんなところに 住んでるのかが分かれば、地域のPRも一緒にできるもんね。 一石二鳥だ! | |
梨子 | うん。この町を愛するAqoursのみんな、 それに、いつも支えてくれる地域の人達 | |
梨子 | たくさんの想いに報いる歌を作る…… それが、作曲を任されてる私が負ってる責任だと思うの | |
PLAYER | (梨子ちゃん……そんな気持ちで曲を作ってたんだ……) | |
梨子 | だから、私なりに町や学校のことを調べて、 音としてまとめようとしたんだけど…… | |
PLAYER | ちなみに、調べたって、どんなふうに? | |
梨子 | えっと……まず、Aqoursのメンバーのことを 改めて観察してみたの。朝学校で会ってから、 放課後の練習が終わって別れるまで | |
PLAYER | え……Aqoursのことを? | |
梨子 | うん。歌っている人のイメージをメロディに反映するのも 大事だもの。自然な姿を見たかったから、 質問は控えようと思ったけど…… | |
梨子 | 家での様子とか、私の目が届かないところのことは、 教えてもらえる範囲で聞いてみたわ | |
梨子 | それと、学校や内浦、沼津の印象についても、 色々聞いて回ってみたかな | |
梨子 | 聞くだけじゃなくて、図書館や資料館に行って 歴史や文化を調べたり、町全体を一通り回って、 各所の景観や人の流れを確認したり | |
PLAYER | 想像よりずっと入念な調査だった…… | |
でも、そんなに調べても納得いくものを作れなかった | ||
PLAYER | でも、そんなに調べても納得いくものを作れなかった…… ってことだよね? | |
梨子 | そうなの……。 もたもたしてると他の工程にも影響しちゃうし、 どうすればいいのか…… | |
そこまでしたなら、かなり色んなことが分かった? | ||
PLAYER | でも、そこまでしたなら かなり色んなことが分かったんじゃないの? | |
梨子 | ええ。知識は増えたけど……それだけだったわ。 もっと、何か決定的なものが欠けている気がして、 でも、それが何なのかつかみきれなかった | |
梨子 | そう悩んでいた頃に、たまたま先生が コンサートに出演なさることを知って…… 相談に乗ってもらうことを思い付いたの | |
PLAYER | 千歌ちゃん達には相談はしなかったの? | |
梨子 | うん……。 一度、無関係……って言ったら冷たい表現に聞こえちゃうけど、 内浦とも浦女とも繋がりのない人から意見を聞いてみたくて | |
梨子 | 内浦を調べることに集中し過ぎて、 視野が狭くなってるんじゃないかと思ったから | |
PLAYER | そうだったんだ……。それで、先生の答えは? | |
梨子 | 難しく考え過ぎ、だって。 もっと自由に、心のままに弾けばいいんだよって。 でも…… | |
PLAYER | 素直に頷くことはできなかったんだね | |
梨子 | 私が自由に弾いちゃったら、 沼津の良さも、Aqoursらしさだって関係なくなっちゃう | |
梨子 | 私が作るのは、私のための曲じゃないんだから…… | |
PLAYER | ……梨子ちゃん | |
PLAYER | 梨子ちゃんのピアノ、聴かせてもらえないかな。今から | |
梨子 | えっ、今から!? ど、どうしたの、突然…… | |
PLAYER | 聴きたくなったから……かな。 だめ? |