桜内梨子/エピソード/9話 語らいの夜
外觀
| 角色 | 文字 |
|---|---|
| 今度の歩夢ちゃんの曲、どんな感じにしよう? 梨子ちゃんならどんなふうに作るかな~…… | |
| あっ、電話だ! | |
| はい | |
| もしもし | |
| えっ、梨子ちゃん? | |
| そうよ。どうしたの? そんなに驚いて | |
| いや、今、ちょうど梨子ちゃんのこと考えてたから…… | |
| ええっ? 私のことを? どうして? | |
| 今度、虹ヶ咲のみんながイベントに出るんだ。 今そのための曲を作ってるところなんだけど、 梨子ちゃんならどんな曲を作るかな~、って | |
| そういうことだったのね。 あ、じゃあ私、邪魔しちゃったかしら | |
| いやいや! 全然大丈夫だよ。 それで、どうかしたの? | |
| うん。今度ね、 またクラシックコンサートを聴きに行こうと思ってるの | |
| 梨子ちゃんのピアノの先生のコンサート? | |
| ううん、今回は違うわ。 でも、有名なオーケストラが出演するコンサートで、 先生がチケットをくださったのよ | |
| それでね、よければ、あなたも一緒にどうかなって | |
| オーケストラかぁ……! いいなぁ、オーケストラの演奏って大好き! | |
| 色んな楽器が響き合って奏でられる音楽は、 眠ってる脳を揺さぶられるっていうか、 体の底の情熱が湧き上がって来るっていうか―――― | |
| ふふふっ♪ 良かった、あなたも好きなのね。 じゃあ、行けるってことでいい? 今度の土曜日なんだけど | |
| ……あ、 あー……ごめん。ちょっと無理かも…… | |
| イベントの準備があるから? | |
| うん。開催日はコンサートの日より先なんだけど、 曲のほかにダンスとか衣装とかのこと考えると、 ちょっと時間取れそうにないんだ | |
| そっか……。そうよね。 9人分の準備をしなきゃならないんだもの。忙しいわよね | |
| 分かった。じゃあ、コンサートはお母さんと行ってくるわ | |
| ごめんね、せっかく誘ってくれたのに…… | |
| 何言ってるの。目の前にイベントが控えているなら、 そっちのほうが大事でしょ | |
| コンサートのことは私も残念だけど、 きっとまた行ける機会があるわ。 その時は、また誘ってもいいかしら? | |
| もちろん! 次は絶対一緒に行こう! | |
| 作曲のほうも頑張ってね。応援してる。 私で力になれることがあったら、遠慮無く連絡して | |
| ありがとう。みんなのために良い曲を作ってみせるよ! 梨子ちゃんも、お母さんとコンサート楽しんできて | |
| ええ、ありがとう。それじゃあ、またね | |
| うん、またね |