桜坂しずく/故事/18話 みんなと共有したいこと
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| しずくちゃん。 私なりに、しずくちゃんらしさってことを考えてみたんだけど…… | ||
| 先輩、ストップです。 私、先輩の言いたいことがわかる気がします 1 + | ||
| え? | ||
| この間、先輩に言われたことをよく考えてみたんです……。 私の好きなこと、楽しいと思うこと…… 2 | ||
| 私がしずくちゃんに言おうと思ってることと同じっぽいね | ||
| はい! 3 + | ||
| 私らしさって、やっぱり「演じること」ですよね! 4 | ||
| うん、その通りだと思う | ||
| 私は演じることが好き…… でも、演じること、それ自体をみんなとは共有できないんです 6 + | ||
| だって、演じている私のことを見てほしいから。 だから、どういう部分をみんなと共有したらいいかって考えました 7 | ||
| でも、そこでちょっと行き詰まってしまいまして…… 8 | ||
| 気分転換になればと、 先日購入したミュージカルのDVDを観たんです 9 | ||
| うん | ||
| それがとても面白くて。観終わった後は幸福感と共に、 私もこんな物語を作りたいって創作意欲が、 次から次へと湧いてきました 10 | ||
| 演劇もミュージカルも、もちろん歌もそうですけど。 私は物語性の強いものが面白いと思えますし、大好きで…… 11 | ||
| その気持ちをファンクラブのみんなと共有したいんです! 12 | ||
| だから、自分で物語を考えて、 それを伝えられたら面白いんじゃないかなって 13 | ||
| いいアイディアだね | ||
| しずくちゃんらしい、いいアイディアだと思うよ | ||
| ありがとうございます♪ 14 | ||
| 私が手伝うまでもなかったね | ||
| すごいね、しずくちゃん。完璧な答えだよ。 私が手伝うまでもなかったね | ||
| いえ。先輩がヒントをくれなかったら、こうはいきませんでした 15 + | ||
| ただ問題は、どうやって物語を伝えるかですよね…… 台本を書いて、ファンクラブの公式サイトに 掲載するとかでしょうか? 16 | ||
| でも、それを読んでもらうだけじゃ、 あんまり楽しくはないですよね……。 うーん……どうしましょう…… 17 + | ||
| じゃあ、私から一つ提案 | ||
| しずくちゃんは、役を演じているときが一番輝いてると思う。 そしてそれは、ファンのみんなもそう思ってる。 しずくちゃんが一番輝いている姿を、みんなに見てもらおうよ | ||
| 一体どうすれば……? 18 | ||
| ファンクラブのみんなに向けてのイベントで、 朗読劇をしてみない? | ||
| 朗読劇……? 19 | ||
| すてきです! 20 | ||
| しずくちゃんのファンクラブでしか体験できないことだよね | ||
| ふふ、そうですね。 歌を聴きにきたのに朗読劇が始まったら、 きっとすごいサプライズです 21 + | ||
| あ、でも、がっかりされたりしないでしょうか……? 22 | ||
| うーん……。しずくちゃんのパフォーマンスなら 喜んでもらえると思うけど……。でも、不安なら歌も……って、 そうだ! 一緒にしちゃえばいいんだ! | ||
| え? 一緒? 23 | ||
| うん! しずくちゃんが大好きな歌劇団みたいに、 ミュージカルとまではいかないけど、 朗読と歌を合わせたパフォーマンスを考えてみようよ! | ||
| 朗読と歌の融合……ということですか? 24 | ||
| そう! しずくちゃんのファンなら、両方見たいって思うのは当然だよ。 それなら両方楽しんでもらおう! | ||
| ……先輩! とってもいいアイディアです!! 朗読と歌なら、すてきも二倍になりますよね! 私、やってみたいです! 25 | ||