桜坂しずく/故事/29話 横浜に降り立ったお姫様
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おはよう、しずくちゃん! |
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おはようございます、先輩。今日はよろしくお願いします! 1 + |
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えっ? あの……? 3 + |
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今日は私はカメラマン役だから。 しずく姫のいろんなところを撮っていくよ |
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しずく姫だなんて恥ずかしいです! やめてくださいっ! 4 + |
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かわいいと思うけど……。じゃあ、しずくちゃん。 外国のお姫様が初めて横浜駅に立ったとき、 どういうことを言うと思う? |
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そうですね…… 広くて、人が多い…… 5 + |
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「舞踏会でも始まるのかしら?」でしょうか…… 6 |
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なるほど。確かに、お姫様の知ってる範囲で考えるとそうなるかも |
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でも、それはこの空間にいるときだけです。 少し歩けば見たことのないお店があって、 物珍しさにアレコレ尋ねるんじゃないでしょうか 7 |
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で、カメラマンはそれにひとつひとつ答えるんだね |
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「あら、これはなにかしら? 小さな女の子の彫像が!」 9 + |
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「それは、赤い靴の女の子の銅像ですよ。お姫様」 |
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「だったら靴だけでも赤くしてあげたらいいのに」 ……なーんて! 10 + |
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あははっ! しずくちゃん、いい感じだよ。 じゃあ、行こっか! |
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「この白くてふわふわしたものはなあに?」 12 |
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「豚まんですよ、お姫様。熱々のうちに食べるとおいしいんです。 ちょっと待ってくださいね……はい、どうぞ」 |
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せっ、先輩! 本当に買わなくてもいいんですよ! これはお芝居なので! 13 |
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でも、おいしそうじゃない? 食べようよ |
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で、では、あの、自分の分は自分で払います 14 |
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じゃあ、他にも食べたいから、これは私が買って半分こ。 次のところでしずくちゃんが買う、っていうのでどうかな? |
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そういうことでしたら! 15 |
じゃあ、半分どうぞ | |
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じゃあ、半分どうぞ。熱いから気をつけてね |
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ありがとうございます。はむっ……。 んん~~! おいしいですー! 16 + |
たくさん食べられるね | |
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やった。これでたくさん食べられるね! |
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ふふっ、先輩ったら食いしん坊ですね。 じゃあ、いただきまーす! 17 + |
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先輩!? 突然撮らないでください~!! 18 |
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だって今日は私カメラマン役だから |
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うう、もう~! じゃあ私も先輩のこと撮っちゃいますよ! 19 + |