桜坂しずく/故事/6話 本当の私
角色 | 文字 | |
---|---|---|
しずく | それで、募集した結果はどうでしたか? 隠さずに、ちゃんと正直に、教えてください 1 | |
PLAYER | う、うん。その……メンバーのみんなの ソロイベントに向けての応援メッセージなんだけど、 みんなと比べると、ちょっとだけ少なかったかな | |
しずく | そうでしたか……。 そうじゃないかなって思ってたんですけど…… 2 | |
しずくちゃん…… | ||
PLAYER | しずくちゃん…… | |
しずく | ……あ、大丈夫です! 落ち込んでいてもなにもなりませんから 3 | |
でも、すごく気持ちが伝わってきたよ | ||
PLAYER | で、でも、ひとつひとつが すごく気持ちが伝わってくるメッセージだったよ! | |
しずく | 先輩……ありがとうございます 4 | |
しずく | 私、このままじゃだめですよね。 もっともっと歌やダンスの表現力をつけないと……! 5 | |
PLAYER | 待って待って、しずくちゃんはちゃんと頑張ってるから。 それより他の原因がないか、ちょっと考えてみようよ | |
しずく | 他の原因? 他になにかあります? 6 | |
PLAYER | うーん、私、ちょっと思ったことがあるんだけど…… いいかな? | |
しずく | はい! なんでも言ってください! 7 | |
PLAYER | しずくちゃんのステージって、いつも完成度が高くて、見ていて すごくワクワクするし楽しいんだけど、いつものしずくちゃんとは ちょっと違って見える気がするんだよね…… | |
しずく | へ、変ですか!? 8 | |
PLAYER | ううん! そんなことないよ! でも、なんていうか…… 私がいつものしずくちゃんを知ってるからなのかもしれないけど、 ステージの上だと別人みたいに見える時があって…… | |
しずく | それはそうかもしれません。 私は、自分がすてきだなって思うスクールアイドルを演じてるので 9 | |
PLAYER | それが原因かも! お芝居とスクールアイドルは 似ているようでちょっと違うのかもしれない。 だって、お芝居は役になりきってるのを見て感動するけど | |
PLAYER | スクールアイドルはひとりひとりの素敵な個性に 感動するものでしょ? うちの同好会だって、 ひとりひとりの個性が強いからソロでやろうって決めたし | |
PLAYER | 個性ってその人そのもので……うまく言えないんだけど、 私は、すてきなスクールアイドルを演じてる しずくちゃんじゃなくて、しずくちゃんそのものを見たいんだ | |
PLAYER | だから、演じることがしずくちゃん自身の良さを 見えなくしちゃってるのかも | |
しずく | ……考えたこともなかったです。 そんなこと…… 10 | |
しずく | でも、先輩が言うように、ステージの上では私そのものじゃない、 偽物ってところがちぐはぐに見えたのかもしれませんね。 私は、それがいいことなんだと思ってやってたんですけど…… 11 | |
しずく | 私が気づけないところ、先輩は見てくれてるんですね…… ありがとうございます! 12 | |
PLAYER | あ、今のは私が勝手に思ったことだから、 もちろんしずくちゃんが思うようにやっていいんだからね? | |
しずく | はい! でも、新しいことを試してみたいです! 理想のスクールアイドルを演じるんじゃなくて、 自分そのものを見せる……試してみようと思います! 14 | |
しずく | っていっても、いいやり方を思いついたわけじゃないんで、 先輩と相談しながらになりますけど 15 | |
PLAYER | 私でよかったら、なんでも相談に乗るよ! 私はしずくちゃんの素敵なところいっぱい知ってるからね | |
しずく | ふふ、よろしくお願いします! ということで早速、次のイベントの台本なんですけど…… 16 | |
PLAYER | ほらほらしずくちゃん、ライブには台本なんかいらないんだよ | |
しずく | あっ、そっか、そうですよね。 私、台本がないと本当になにもできなくて…… 17 | |
PLAYER | 大丈夫。台本なんかなくても、みんなの前で歌って、 そのとき感じたことを素直に表現すればいいんだから。 表現することは、しずくちゃん得意でしょ? | |
しずく | 感じたことを、素直に表現……それならできそうです! では早速、先輩の前で一度歌ってみてもいいですか? 18 | |
PLAYER | えっ、しずくちゃんのライブ、 先に見せてもらっちゃっていいの!? | |
しずく | はい! 先輩の前で歌う、この瞬間の気持ち、表現したいです! 19 |