津島善子/エピソード/14話 複雑な娘心
(重新導向自津島善子/故事/14話 複雑な娘心)
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千里眼を手に入れた……っていうのは、 まぁ、冗談なんだけど |
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冗談かい! 1 |
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家に来た時、出迎えてくれたお母さんから、 少しだけ事情を聞いたんだ |
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部屋にこもって何してるのか問い詰めて以降、 まともに口を利けてないってね |
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少しどころか、ほとんど全部聞いてるじゃない…… 2 |
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部屋で堕天使活動してるところにお母さんが来ちゃって、 ごまかそうとしたら、言い合いになっちゃった感じ? |
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……そうよ。人間界の暗黒度調査のために情報収集をしていた時、 悪魔召喚に関する興味深い情報を見つけたから、 真偽を確かめようとしていたの 3 + |
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ネットサーフィンをしてたら面白そうな記事を見つけて、 試そうとしたんだね。 ヨハネ語も大体分かるようになってきたよ |
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ヨハネ語言うな! 悪魔召喚に限らず、魔術には人に見られてはいけないものが 数多くあるわ 4 + |
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だからあの時も、部屋に入られるわけにはいかなかったの。 なのに……ご飯ならあとで1人で食べるからいいって言ったのに、 聞いてくれなくて 5 |
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ご飯の時間だから呼びに来たのか、お母さん…… |
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まぁ、お母さんの気持ちも分かる気はするけどね……。 娘が部屋にこもって熱心に何をしてるのか、 やっぱり気になるものだろうし |
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(けど、善子ちゃんの気持ちも分かる……。堂々と 打ち明けられない葛藤。魔術をやってるからとかじゃない。 家族なのに素直になれない心……) |
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私だって、分かってるのよ…… 6 + |
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一緒に暮らしている、仮にも家族の形を取っている相手が、 大きな秘密を抱えているかもしれないなんて思ったら、 私だって気になるわ 7 |
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秘密を打ち明けて、受け入れて、 自然に生活に溶け込ませることができたなら、 それがきっと一番いい 8 |
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そうだね…… |
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でもでも! そんな上手くいくものじゃないでしょ!? もし、そんなことやめろって言われたらって思うと…… 9 + |
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怖いですか、ヨハネ様 |
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怖くない! ……わけでもなくはないっていうか 10 + |
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どっちなの。でも、分かるよ。 本当の自分を打ち明けるのは……すごく勇気が要るよね。 人間だろうと堕天使だろうと、さ |
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悪い結末ばっかり考えちゃうし、 それが嫌で、ますます隠そうとして、 相手との距離は遠くなっちゃう |
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そうよ。 何より……私は不運の申し子の異名を取るヨハネなのよ。 いい結果なんて期待できるわけないじゃない…… 11 |
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そんな異名があったんだ…… ツイてないってのは知ってたけど |
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でもさ、ヨハネ様。 やっぱり、何事もやってみないと分からないと思う。 お母さんと仲直りしよう。私も一緒に方法考えるから |
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私の話聞いてた!? ヨハネは不運に愛された不運マスターなのよ! 最悪、この家を出て行かなきゃならなくなるかもしれないのに!! 12 |
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そんな不運マスター・ヨハネ大堕天使様と、 仮とはいえ家族をやれるほど、 お母さんは強い人間ってことじゃない |
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ヨハネ様も一目置いてるみたいなこと言ってたでしょ。 案外上手くいくかもしれないよ |
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好き勝手言うんだから…… あなた、そんなに自信家だったっけ? 14 + |
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まずは信じることが一歩を踏み出すことだと思うから。 それに、今私が信じているのは、私自身じゃなくて、 ヨハネ様とお母さんの絆ですよ |