津島善子/次の夏も、その次も
外觀
< 津島善子
| 角色 | 文字 |
|---|---|
| 善子ちゃ~ん! | |
| 遅いわよ、リトルデーモン! 待ちくたびれたじゃない 3 | |
| ごめんごめん、準備に時間掛かっちゃって。 夏を満喫したい善子ちゃんのために、 ありったけ調達してきたよ! | |
| うわっ! これ、全部花火!? 本当にたくさん用意したのね! 4 + | |
| うん♪ やっぱり夏なら花火は外せないでしょ。 お祭りの打ち上げ花火はこの前観たんだよね? だから今日はコレ。手持ち花火♪ | |
| 全部遊んでいいの!? ほんとにいいの!? 5 | |
| もちろん! そのために買ってきたんだから。さぁ、早くやろう! ぼーっとしてたら、私が先に遊び尽くしちゃうよ! | |
| あっ、だめ~! ヨハネが先にやるのよ! 6 + | |
| うりゃああああ~~~~!! 駆け抜けろ閃光! 地平の果て、 天の彼方までヨハネの威光を知らしめよ! 8 | |
| 魔法使ってるみたい | |
| そうやってポーズとセリフを付けながら花火してると、 本当に魔法を使ってるみたいに見えるよ。 きらきら眩しいし | |
| “みたい”じゃなくて、本当に使っているのよ! 火花と共にヨハネの魔力が世界へ舞い散っていくわ! 9 + | |
| 危ないよ~! | |
| 善子ちゃん、振り回すと危ないよ~! | |
| 分かってるわよ! あ~、綺麗♪ 赤、青、緑! ヨハネの手からこんなに光が溢れて 10 + | |
| 昔は花火をやりながら魔法使いごっことかしたなぁ。 ぶんぶん振り回すからお母さんが危ないって怒ってさ | |
| ふふ♪ その頃からリトルデーモンの片鱗を見せていたなんて、 やっぱりあなたはヨハネに出会うために生まれてきたのね! 11 + | |
| まぁ、さっきの善子ちゃんと同じことしてたわけだしね。 あながち間違いでもないかも | |
| ちょっと、それ私が子供っぽいとか、 そういう意味で言ってる!? 12 | |
| そんな滅相も無い――――あ | |
| あ、終わっちゃった。 闇と違って光は儚いわね……。よし、次! 13 + | |
| どれにしようかな~……あれ? あれ!? こっちの袋も、あっちの袋も……無い! 全部空っぽ……!? 15 + | |
| ありゃ、残ってるのは線香花火だけか…… | |
| いつもこれが最後に残るよね。 別に意識して避けてるつもりは無いのに、 気付くとこれだけ残ってる | |
| それが自分の役割だと分かっているのよ。 さ、火をつけなさい。 これが私たちの夏の最後を照らす灯火よ 16 | |
| 綺麗だね、線香花火 | |
| 自分で言っといてなんだけど、 この火が落ちたら本当に終わりなのね…… なんか、そう考えると…… 18 | |
| 寂しくなっちゃった? | |
| ち、違う! このヨハネが寂しいなんて………… 感じたとしても、ほんのちょこっとなんだから! 19 + | |
| じゃあ、明日も花火やろうか。 明後日も、その次も。 お店で花火の取り扱いが無くなるまで | |
| はあ!? さ、さすがにそれは無茶でしょ…… っていうか、そういう話じゃなくて……! 20 + | |
| 花火が無くなって秋が来たら…… そうだなぁ、紅葉を観に行こうか。 焼き芋するのもいいね。秋は美味しいものいっぱいあるし | |
| 冬は雪……沼津は雪、あんまり降らないんだっけ? じゃあ降るところまでお出かけしよう! 春になったら今度はお花見だね | |
| そしたらまた夏が来るから、花火をしよう。 夏も秋も冬も春も、ずっとずっと楽しいことをしようよ、一緒に | |
| …………! 21 | |
| ほんと、あなたってば優秀なリトルデーモンだわ! 22 | |
| あなたを眷族にしたことは、ヨハネの生涯最大の英断ね。 あなたのおかげで、ヨハネはこの先も 退屈知らずでいられるわけだから 23 | |
| 私も善子ちゃんといられて毎日楽しいよ | |
| 善子じゃ――――ま、いいわ。今日だけ許してあげる。 これから先も私を楽しませてくれるお礼よ、 可愛いリトルデーモン♪ 24 + | |