秋雨クラブ/第7話
外觀
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| 角色 | 文字 |
|---|---|
| すっかり晴れたわね。さっきまでの雨が嘘みたい 1 | |
| うん。電気も復旧したし 2 | |
| 曜ちゃん、電車はどう? 3 | |
| ネットの情報だと、動いてるって 4 | |
| よかったぁ 5 | |
| でも、ダイヤが乱れてるから、すごく混雑してるみたい 6 | |
| うっ……沼津までは厳しい旅になりそうずら…… 7 | |
| それにしても、しずくには助けられちゃったわね 8 | |
| ? 何がですか? 9 | |
| さっき、はしゃいでみせたの、わざとでしょ 10 | |
| あ…… 11 | |
| みんなが暗い顔してたから。 励ますためにわざとそうした。違う? 12 | |
| あはは……バレていましたか 13 | |
| え。そうだったの? 14 | |
| なるほどね。しずくにしては、妙にテンションが高いから、 おかしいと思ったのよ 15 | |
| それもあるけど、でもそれは気持ちの半分 16 | |
| もう半分は、本当にワクワクしてたの。 なんだか映画の主人公になったみたいで 17 | |
| その気持ちを、みんなと共有したかったんだ 18 | |
| たしかに、嵐の日に学校に閉じ込められちゃうなんて、 滅多にない体験だもんね 19 | |
| うん。まるで小説の中にいるような、そんな気分を味わえたずら 20 | |
| 嵐の学校で演奏するのも、悪くなかったわね 21 | |
| 暗い校内を走るの、楽しかった 22 | |
| ま、あのビデオを観られなかったのは残念だったけどねー 23 | |
| そうですね。私も観たかったです 24 | |
| でもね、しずく、あなたには感謝してる 25 | |
| 雨で最悪だったはずの日が、最高の思い出になった 26 | |
| 私も、すごくドキドキしちゃったわ 27 |
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