花火大会は波乱の予感?/第3話
角色 | 文字 |
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善子 | 聞け、我が眷族達よ! 今宵、沼津の空に炎の花が咲き乱れる。 夏の夜を彩る儚い輝きをヨハネと共に見届けるわよ! 1 |
果林 | 花火大会をそんなふうに表現するのは、善子ちゃんくらいね 2 |
花丸 | はう~、焼きそば、たこ焼き、クレープ…… 色んな食べ物のいい匂いずら~♪ 3 |
彼方 | かすみちゃんに頼まれたお土産、何にしよ~? 4 |
花陽 | 夜店巡りのために、昨日の夜からごはん我慢してたんだ。 いっぱい食べよう! 5 |
にこ | 昨日の夜!? 出発の時から目が虚ろだったのはそのせいだったわけ…… 6 + |
花丸 | 今日のために、貯金してたお年玉、持ってきたずら。 ばあちゃんに頼んで小銭に崩してもらっ…… 7 |
花丸 | あ、ああ~~~~っ!?!? お、お財布が空っぽずら~~!! 9 |
善子・花陽・にこ・彼方 | ええっ!? 10 |
花丸 | ななな、なんで…… 家を出る時はちゃんとあったのに! どうしよう! これじゃ……これじゃ夜店で何も買えないずら~~っ! 11 |
花陽 | た、大変! どうしよう、探さなくちゃ…… その前に交番? お家の人に連絡? な、何からやれば…… 12 |
善子 | 財布の中身だけが忽然と消えるなんて…… 人知を超えた異形の仕業に違いないわ! 我々にも危機が迫っている……! 13 |
果林 | みんな落ち着いて、大丈夫よ。 花丸ちゃん、巾着の中、よく確認してみて 14 |
花丸 | う、うん……あれ? あ……お金、あったずら……! 15 + |
果林 | お財布を出した時、口が開いた状態だったから、 ちょっと気になってたのよね 16 |
にこ | 気付いてたんなら早く言いなさいよ! 18 |
果林 | 言おうとしたらみんなが騒ぎ始めたのよ 19 |
花丸 | ご、ごめんなさい!! こんなことで大騒ぎしちゃって……! 20 |
彼方 | 大丈夫だよ~。 落としたり置き忘れたりしたんじゃなくてよかったね~ 21 |
善子 | 気を取り直して、行くわよ! いざ花火―――― 22 |
善子 | うわあっ!? 23 |
花丸・花陽・にこ・彼方・果林 | (花丸・花陽・彼方・果林)善子ちゃん! (にこ)善子! 25 |
果林 | ……はあ、危なかったわね……大丈夫? 怪我は無い? 27 |
善子 | だ、大丈夫……だけど…… 28 |
花丸 | あ……下駄の鼻緒が切れちゃってるずら……! 29 |
にこ | ちょっと貸してみなさい。えーと……ハンカチをこうして、 ここの穴に通して結んで……はい 30 |
花陽 | わあ……すごい、直っちゃった! にこちゃん、鼻緒の直し方なんて知ってたの? 31 |
にこ | まぁね。前にここあが同じようなことになって、その時覚えたの 32 |
善子 | ……ありがと……ごめん、ハンカチ…… 33 |
にこ | なに情けない顔してんのよ。 直したって言っても、応急処置だからね。 暴れるとまた取れちゃうかもしれないから、気を付けなさい 34 |
善子 | あ、暴れないわよ! 35 |
果林 | 一件落着、かしら。 この子達といると本当に賑やかね♪ 36 |
彼方 | ね~。こんなことってほんとにあるんだ 37 |
果林 | こんなことって? 38 |
彼方 | どこかに行こうとしたら下駄の鼻緒が切れる…… こういうことが起こる時って、何かあるって言うよね~ 39 + |
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