花火大会は波乱の予感?/第7話
角色 | 文字 |
---|---|
善子 | はあっ、はあっ……もっと離れなくちゃ…… もっと遠くに行かなくちゃ……! 2 |
花丸・花陽・にこ・果林・彼方 | (花丸・花陽・果林・彼方)善子ちゃ~ん! (にこ)善子~! 3 |
善子 | つ、ついてこないで――――うぎゃっ! 4 + |
花陽 | 善子ちゃん! 大丈夫!? 6 |
善子 | 来ないで! 私に近づいたら、もっと酷いことが起こるわ! 7 |
彼方 | どゆこと? 8 |
善子 | 今日起こったトラブルは全部私のせいなの! 私が不幸を呼んだのよ! これ以上、みんなに嫌な目に遭ってほしくない! 9 |
善子 | こんなはずじゃなかった…… みんなと一緒に楽しい夏の思い出を作れるはずだったのに…… それなのに……! 10 |
善子 | ずら丸の財布は空になるし、わたあめでべたべたになるし、 輪投げは欲しいやつとれないし、金魚もとれないし、 果林のたこ焼きはあつあつだし! 11 |
果林 | ふふっ、冷え冷えよりはずっといいわよ 12 |
彼方 | 今日とった貯金箱にお金貯めて、ちゃんとお店でゲーム機買うよ~ 13 |
にこ | 金魚はとれないことのほうが普通って言ったじゃない 14 |
花陽 | わたあめもちゃんと洗い流せたし、 濡れた髪もすっかり乾いてるよ 15 |
花丸 | お財布のことは、善子ちゃんじゃなくてマルの早とちりのせいずら 16 |
果林 | それに、あれこれ起こったほうが、今日来られなかったみんなに、 たくさんお土産話ができるんじゃないかしら 17 |
善子 | で、でも……花火、混んでて見られない…… 今から戻っても、きっと、さっき以上の人混みになってるわ…… 18 |
花丸 | 花火がよく見える場所なら、ほかにもあるはずだよ。 こういう時こそ、マル達地元民の知識と経験が生かされるずら! 19 |
花陽 | ネットにも何か情報があるかも。 一緒に探しに行こう、善子ちゃん 20 |
善子 | みんな……あ、ありがとう……でも……あの…… 21 + |
彼方 | うん、どした? 22 |
善子 | あの、鼻緒がまた、切れちゃって…… 23 |
にこ | だから暴れるなって言ったでしょ! ほら、貸しなさい。直してあげるから―――― 24 |
善子・花丸・花陽・にこ・果林・彼方 | !! 26 |
花陽 | 花火だ……! 打ち上げの時間になってたんだね 28 |
花丸 | 沼津の花火、毎年観ても、やっぱり綺麗ずら……! 29 |
にこ | へえ、いい眺めじゃない。 夜店の通りから離れてるから人も少ないし、 落ち着いて観られるわね 30 |
果林 | 本当に綺麗だわ……。 これも善子ちゃんのお陰ね 31 |
善子 | え? な、なんで私? 32 |
彼方 | 善子ちゃんがこっちの方向に走らなかったら、 ここで鼻緒が切れなかったら…… こんな綺麗な花火は観られなかったよね~ 33 |
花丸 | 無意識でも最善の場所へ導いてくれるなんて、 さすがヨハネ様ずら! 34 |
花陽 | ヨハネちゃんのおかげで、 ワクワクドキドキの素敵な思い出ができたよ。 ありがとう 35 |
善子 | みんな…… 36 |
にこ | ちゃんと幸福も呼べるんだから、 いつまでもうじうじしてるんじゃないわよ 37 |
善子 | う、うじうじしてたわけじゃないわよっ! 人混みに揉まれたせいで、体内の魔力の流れが狂っただけ! 38 |
善子 | ……そう、不幸も幸福もヨハネの前には等しく同じ! 何が起ころうと、ヨハネの行き着く先こそ正義なのよ! 39 |
善子 | もっともっと楽しくて素敵な景色を見せてあげる。 だから、これからもヨハネについてくるのよ、リトルデーモン達! 40 |
75