西木野真姫/故事/14話 はじめてのアルバイト
外觀
| 角色 | 文字 |
|---|---|
| (真姫ちゃんは何を悩んでるのかな。 力になれるといいんだけど……) | |
| 今日はまだ時間があるし…… たまには、ケーキでも買って帰ろうかな | |
| あれ? 向こうにいるのは―――― | |
| いかがですか~ 2 | |
| 新しいケーキの試食やってます 3 | |
| あ、ま、待って…… 4 | |
| うーん……みんな立ち止まってくれないのよね。 もう休憩時間に入っちゃうわ…… 5 | |
| 真姫ちゃん!! | |
| あなた……!! どうしてここに 6 | |
| 真姫ちゃん、お疲れさま! この間、アルバイト情報誌見てたのって、 ここに応募するためだったんだね | |
| はあ…… よりによって、今一番会いたくない人に会っちゃうなんて 8 + | |
| 私も試食のアルバイトやったことあるんだ。 なかなか立ち止まってもらえないんだよね | |
| そうだったの!? 9 | |
| じゃあ……教えてくれない? こういうときって、どうすればいいの? 10 | |
| えっと、私の考えだと…… | |
| 買う人の気持ちを考えることが、大事だと思うな。 味とか値段とか、何か魅力が見つからないと買わないよね? | |
| 自分が買うとき……か。 このケーキはトロピカルフルーツのジュレが乗っていて、 とっても爽やかなの。他にはない味わいなのよ 11 | |
| 真姫ちゃん自身が このケーキの魅力を見つけることが、大事じゃないかな。 そうしないとおすすめできないよね | |
| 真姫ちゃんは、このケーキ食べたことある? | |
| もちろん食べたわ。上品な甘さで、食べやすいのよ? 私だって、おすすめしたい気持ちはあるんだから 12 | |
| あ……そっか。 試食やってます、じゃなくて、 どういうところがおすすめなのかを伝えなくちゃいけないんだ 13 | |
| ……少し出来そうな気がしてきたわ。 ありがとう 14 | |
| もうすぐ休憩時間も終わるから、行くわね。 あなたにこれ以上かっこ悪いところは見せられないし…… 15 + | |
| うん! 頑張ってね、真姫ちゃん! | |
| こちらのケーキ、トロピカルフルーツのジュレが乗っていて、 爽やかなんです。ぜひ味わってみてください 18 | |
| それから、こちらのケーキは上品な甘さで―――― 19 | |
| (真姫ちゃん、すごく丁寧な接客してる! たくさん人が集まって来てるし、もう大丈夫そう) | |
| 真姫ちゃん。 昨日の試食、あれから大丈夫だった? | |
| ええ。 あなたのおかげで、たくさんの人に試食してもらえたわ 21 + | |
| よかった! 真姫ちゃんなら出来ると思ってたよ | |
| 私、考えたんだけど…… もらえるお金のことばかり考えてて、 アルバイトと真剣に向かい合ってなかったんだと思う 22 | |
| たった1日だけど、働くってこういうことなんだって。 思っていた以上にすごく大変で…… でも、大事なところも楽しいところも知ることが出来たわ 23 | |
| だから、本当にありがとう 24 | |
| ううん。 真姫ちゃんが、真剣にアルバイトと向き合った結果だよ | |
| それに……ようやくあれも買えそうだわ 25 | |
| (真姫ちゃん、アルバイト代で何を買うのかな?) |