高海千歌/エピソード/1話 みかんを救え!
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| (綺麗な夕焼けだなぁ。オレンジ色の海と空。 写真撮ろう! 携帯携帯……) | ||
| (……んっ? 何か靴に当たった…… 石でも蹴ったかな……) | ||
| えっ、石じゃない。これ、みかん……? 何でこんなところにみかんが…… | ||
| あああ~~~~!! | ||
| ? う、うわぁ~っ! みかんの大群が転がって来たぁ!? | ||
| 私のみかんがああ~! うわああ待って~~! | ||
| ち……千歌、ちゃん? ど、どうしたの? この大量のみかんって千歌ちゃんのみかんなの? | ||
| ああっ、ちょうどいいところに! ごめん、後で説明するから、みかん拾うの手伝って~! | ||
| えっ、わ、分かった | ||
| 拾ったらこのダンボールにお願い! | ||
| うん。それにしても、すごい数……うわ、結構遠くまで転がってる | ||
| 車道までみかんだらけだよぉ~。 良かった、ちょうど車が走ってなくて…… | ||
| ……ん? 車の音が聞こえるような…… | ||
| う、うそっ! 早く拾わなきゃ~~! | ||
| はぁ、はぁ……終わった~…… | ||
| 拾い忘れはないね | ||
| 車道に転がってた分を拾い終わってすぐに車が来た時は、 危機一髪って感じだったよ~。 みかんの悲惨な最期を見ることにならなくて良かった…… | ||
| 九死に一生だったかな、みかんにとっては | ||
| 拾うの手伝ってくれて、本当にありがとう! 無理矢理手伝わせちゃってごめんね。 もしかして、どこかに行く途中だった? | ||
| どういたしまして。 散歩してただけだから、気にしなくていいよ | ||
| たくさんのみかん、どうしたの? | ||
| それより、こんなにたくさんのみかん、どうしたの? 旅館の食事で出すとか? | ||
| 違うよ。家族で食べる分! 知り合いのみかん農家さんが分けてくれたの。 美味しそうでしょ♪ 1個あげる | ||
| ツヤツヤしてて美味しそう | ||
| それにしても、立派なみかんだね。 たしか、沼津の名産にはみかんもあったっけ。 ツヤツヤしてて美味しそう | ||
| でしょでしょ~♪ 美味しいんだよ、ほんとに! ほっぺたぽろぽろ落ちまくりなんだよ! あげる! 食べて♪ | ||
| いいの? ありがとう。 甘酸っぱい、良い匂い…… | ||
| 本当は志満姉が受け取りに行くはずだったんだけど、 用事が入って行けなくなっちゃったから、 私が代わりに行ってきたの | ||
| でも、帰り道でうっかり転んじゃって…… | ||
| それでさっきの事態になったと。 というか、転んだなら、 千歌ちゃんもどこか怪我したんじゃないの? | ||
| え? とにかくみかん拾わなきゃ! って思ってたから、全然気にしてなかったよ。 でもどこも痛くないし平気だと…… | ||
| ……千歌ちゃん、膝、血が出てる…… | ||
| えっ。……あっ、 い、いたたたた~っ! 今になって痛くなってきたぁ! | ||
| 落ち着いて、千歌ちゃん! 取りあえず、傷口洗おう! 水道、どこかに水道……! | ||
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