三船栞子/故事/19話 なにがしたい?
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栞子ちゃん、おはよう |
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おはようございます 1 + |
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……あれ? なに書いてるの? |
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これですか? もし私がファンクラブを作ったら どんなことがしてみたいかを書き出そうと思いまして…… 2 |
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見せてもらっていいかな? |
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恥ずかしながら、まだ何も書けていないんです…… 3 + |
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私にはどんなことができるのか、なにがしたいのか……。 うまく言葉にできなくて 5 |
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なにができるのか、なにがしたいのか、がまとまらないなら、 好きなことを書き出してみたら? |
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ほら、栞子ちゃんは習い事もたくさんしてるでしょ? それとか |
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日舞とお花、お茶ですね 6 |
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それをみんなに見せたい、とかいった気持ちはない? |
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そうですね……。 あまり考えたことがありませんでした 7 + |
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好きでしていることですが、誰かに見せたいというよりは、 自分を高めるつもりでやっていることなので 8 |
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そっか……。じゃあ、ボランティア活動は? 前、栞子ちゃんに誘われて小さい子たちと一緒に遊んだのが 楽しかった、って聞いたことがあるよ |
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ボランティアのほうが難しいかもしれませんね 9 |
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同好会のみなさんのことは気軽に誘ってしまいましたが、 よく考えると軽率でした 10 |
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ボランティアというのは、 多少なりとも責任がつきまとうものです。 それを安易に誰かに負わせるのは無責任ですよね…… 11 + |
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うう、すみません。 ぐずぐずと言い訳ばかり…… 12 + |
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以前、どんなスクールアイドルになりたいか、 どんな歌を歌いたいのかと聞かれたときから変わってませんね 13 |
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漠然とした「やりたい」という ふわふわしたものしかなくて…… 14 |
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栞子ちゃん…… |
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ですが! ここでみなさんと共に活動をしていて、 なにひとつ成長していないなんて思えません 15 |
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私にだって成長したところがあるはずです。 だから、もっとしっかり考えてみますね! 17 |
頑張って! | |
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うん、頑張って! 応援してる! |
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ええ。家に帰ってお風呂に入って、 リラックスした頭で考え直してみます 18 + |
手伝うよ! | |
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うん。私もできることがあれば手伝うから |
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ふふっ。今まさに、お手伝いしてもらってますよ 19 |
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なんだか、弱音を吐いたらすっきりしました…… 20 + |
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でも、このことはみなさんには内緒にしていてくださいね 21 |