桜内梨子/エピソード/4話 Aqoursの曲
外觀
| 角色 | 文字 | |
|---|---|---|
| Aqoursのメンバーと、みんなが住む内浦という町、 みんなが通う浦の星女学院 | ||
| スクールアイドルは学校や地域と強く結びついているものだし、 曲を作るならそれを連想させる要素も入れた方がいいと思って | ||
| なるほど。曲を聞いて、そのグループがどんなところに 住んでるのかが分かれば、地域のPRも一緒にできるもんね。 一石二鳥だ! | ||
| うん。この町を愛するAqoursのみんな、 それに、いつも支えてくれる地域の人達 | ||
| たくさんの想いに報いる歌を作る…… それが、作曲を任されてる私が負ってる責任だと思うの | ||
| (梨子ちゃん……そんな気持ちで曲を作ってたんだ……) | ||
| だから、私なりに町や学校のことを調べて、 音としてまとめようとしたんだけど…… | ||
| ちなみに、調べたって、どんなふうに? | ||
| えっと……まず、Aqoursのメンバーのことを 改めて観察してみたの。朝学校で会ってから、 放課後の練習が終わって別れるまで | ||
| え……Aqoursのことを? | ||
| うん。歌っている人のイメージをメロディに反映するのも 大事だもの。自然な姿を見たかったから、 質問は控えようと思ったけど…… | ||
| 家での様子とか、私の目が届かないところのことは、 教えてもらえる範囲で聞いてみたわ | ||
| それと、学校や内浦、沼津の印象についても、 色々聞いて回ってみたかな | ||
| 聞くだけじゃなくて、図書館や資料館に行って 歴史や文化を調べたり、町全体を一通り回って、 各所の景観や人の流れを確認したり | ||
| 想像よりずっと入念な調査だった…… | ||
| でも、そんなに調べても納得いくものを作れなかった | ||
| でも、そんなに調べても納得いくものを作れなかった…… ってことだよね? | ||
| そうなの……。 もたもたしてると他の工程にも影響しちゃうし、 どうすればいいのか…… | ||
| そこまでしたなら、かなり色んなことが分かった? | ||
| でも、そこまでしたなら かなり色んなことが分かったんじゃないの? | ||
| ええ。知識は増えたけど……それだけだったわ。 もっと、何か決定的なものが欠けている気がして、 でも、それが何なのかつかみきれなかった | ||
| そう悩んでいた頃に、たまたま先生が コンサートに出演なさることを知って…… 相談に乗ってもらうことを思い付いたの | ||
| 千歌ちゃん達には相談はしなかったの? | ||
| うん……。 一度、無関係……って言ったら冷たい表現に聞こえちゃうけど、 内浦とも浦女とも繋がりのない人から意見を聞いてみたくて | ||
| 内浦を調べることに集中し過ぎて、 視野が狭くなってるんじゃないかと思ったから | ||
| そうだったんだ……。それで、先生の答えは? | ||
| 難しく考え過ぎ、だって。 もっと自由に、心のままに弾けばいいんだよって。 でも…… | ||
| 素直に頷くことはできなかったんだね | ||
| 私が自由に弾いちゃったら、 沼津の良さも、Aqoursらしさだって関係なくなっちゃう | ||
| 私が作るのは、私のための曲じゃないんだから…… | ||
| ……梨子ちゃん | ||
| 梨子ちゃんのピアノ、聴かせてもらえないかな。今から | ||
| えっ、今から!? ど、どうしたの、突然…… | ||
| 聴きたくなったから……かな。 だめ? | ||