桜の精霊に会いに/第2話
< 桜の精霊に会いに
角色 | 文字 |
---|---|
璃奈 | ないっ 1 |
善子 | ないっ!! 2 |
にこ | どこにも桜なんて咲いてなーいっ!! 3 |
ダイヤ | ひとつくらいは咲いているかと思いましたが…… まだ桜の気配はありませんわね 4 |
しずく | はい……残念です 5 |
希 | みんな、待って。桜の気配ならしっかりあるよ 6 |
善子 | えーっ、どこ? 7 |
希 | ほら、あそこ。見て♪ 8 |
しずく | あ……! 9 |
希 | つぼみの先が、うっすらピンク色になってきてる。 もうすぐ花びらができあがるんじゃないかな 11 |
希 | 開花前のこの期間があるからこそ、 咲いたときの喜びが増す気がするんだ 12 |
希 | 桜もみんなに会いたくて、花開く準備をしてるのかも…… な~んて、ふふっ 13 |
希 | だから、つぼみを見るだけでもウチは幸せ♪ 14 |
しずく | 私たちが気づかなかっただけで、桜は、 私たちにちゃんと教えてくれていたんですね 15 |
しずく | 「もうすぐ会えるよ」って 16 |
善子 | この前までもっと固そうなつぼみだったのに。 桜が咲く前から、つぼみの変化を楽しめるのね 17 |
璃奈 | そっか。今まで見逃してた 18 |
にこ | さっきは桜が咲いてなくて、つまんないって思ったけど。 開花が楽しみになったわね♪ 19 |
ダイヤ | 考え方ひとつで、 こちらの心構えもこれほど変わるのですね 20 |
しずく | 本当ですね。 花が咲く前の桜を見ることができて、よかったです 21 |
善子 | くっくっくっ……「桜の精霊」よ。 この桜の木の下で、今何を感じているのかしら? 22 + |
しずく | えっ!? そ、それって、私のこと? 23 |
善子 | 当たり前じゃない! しずくは「桜の精霊」になるんだから 24 + |
しずく | そうだなあ……今の気持ちは、 早く綺麗に咲くところを見てみたい、かな? 25 |
善子 | それじゃ、しずくの気持ちになっちゃうじゃない! そうじゃなくて、桜の大樹を司る、 大いなる精霊としての気持ちを聞いてるのっ 26 + |
しずく | そっか、これじゃ私の気持ちでしかないんだ。 もっと「桜の精霊」の気持ちを考えなくちゃ……! 27 |
希 | そんなに気負わないで、 気楽に考えていいんじゃないかな? 28 |
ダイヤ | せっかく桜を見にきたんですもの。 「桜の精霊」になったつもりで、 今の気持ちを感じてみてはいかがですか? 29 |
しずく | はい……! 30 |
61